お盆の前の休み(8/10,11)に主人の実家へ(出来たら私の実家にも)行くことを予定していたのだが、急に予定日が変更になったので、急遽高野山への二泊三日の旅をすることにした。
一昨年、私が高野山ひとり旅をしてきてから、主人もとても興味を示していて宿泊したがっていたので、今回は、二泊目に主人も高野山にやってきて合流することにした。
8/9の2時頃に出発、JR和歌山行きの電車で橋本から極楽橋を経てケーブルに乗り、夕方に高野山駅に到着。一昨年、小学生の林間学校以来初めての高野山への旅をしたときは、電車の時刻もちゃんと調べていなかったので途中で時間のロスもあったのだが、今回はとてもスムーズに高野山まで着いてホッと一安心。高野山駅から奥の院行きのバスに乗り、アナウンスの声を聞きながら、蓮花谷というバス停まで乗っていった。大木が林立する中をバスはくねくねと曲がっていくのだが、野生の艶やかな橙色の山百合が道の脇に沢山咲いていた。
今回泊まった宿坊は、まず一泊目は、成福院(じょうふくいん)さんというお寺。
高野山には沢山の宿坊があるので悩んでしまうのだが、一昨年に宿泊した蓮華院(れんげいん)さんというお寺の予約が満室だったので、今回はインターネットで宿坊を探してみたところ、こちらの成福院さんというお寺では、なんと!インターネット割引がある上に、宿泊者に*『五大瞑想CD』がプレゼントされるという特典まであった。それで、この特典にも感激!して、早速このお寺に宿泊をお願いすることにした。
この成福院さんというお寺は、前住職様が大戦の勃発により陸軍嘱託としてビルマに入り身をもって悲惨なる戦争を体験して後にビルマ僧となって修行され、昭和19年ビルマ国より贈られた釈迦仏像と大蔵経を奉持し奇跡的に生還なされたそうで、成福院さんでは、ビルマ方面戦没者を慰めるため、摩尼宝塔が建てられていて、又奥の院参道の中ほどくらいには、パゴダの塔も建立されている。
以前に、こちらのお寺の前を通りすぎた時の記憶があったのだが、かなり異国情緒な趣を感じさせる建築物なので、バス停で降りるとすぐに分かった。
受付に顔を出すと、すぐに修行僧の方が出迎えて下さり、宿泊の説明を受けて、お部屋に通された。入り口からお部屋まで、廊下を何回も曲がったり階段を上ったりするので、ちょっと迷子になりそうであった。私が宿泊した部屋の名前は「メーミョウ」と書いてあったのだが、これもビルマ風?の呼び方なのかしらと思った。
そのメーミョウのお部屋は、和室もとても広くて、窓際の板張りのところには小さなソファーセットもあったので、夕食までのひとときは、そのソファーに座って、霧雨の降るお庭を眺めていた。
宿坊では、修行僧の方が食事や布団の上げ下げのお世話をして下さるのだが、なんとなくこの成福院さんの僧の方々は、ちょっと体育会系?の雰囲気もあって、本当にキビキビとお世話して下さった。食事を終えて、「ごちそうさまでした〜」と言うと、間髪入れず「お粗末さまでしたっ!」とおっしゃられて、なんというか心地良い緊張感みたいなものが院内に感じられた。
夕食はもちろん精進料理なのだが、やっぱりお寺によってメニューがいろいろ違っていて、それがとっても楽しみなのである。一昨年に泊まった蓮華院さんでは、野菜の精進揚げがとてもボリュームがあって、デサートには高野山名物「笹巻きあんぷ」が付いていたのを記憶している。こちらの成福院さんでは、お料理もどことなくビルマ風?なのか、チクピー豆の甘煮なんかもあったのでビックリしたのだが、精進揚げにはオクラも入っていて美味しかった。精進料理はあっさりしているが、品数も多いし、ご飯もおひつにたっぷり入っているので、お腹もいっぱいになる。夕食後に、お風呂場に行くと、またまた異国情緒たっぷりな広〜いお風呂だったので、内装を眺めつつゆっくりと楽しく入浴することが出来た。
そして、翌朝6時半からの勤行では、こちらの成福院さんの読経の素晴らしさに、ひととき魅了されて、眠気も吹っ飛んでしまったのである。まだ薄暗い本堂では、蝋燭の光が優しく揺らめき、住職様を真ん中に、修行僧の方おふたりが両脇に着座され、荘厳な雰囲気のなかで読経が始まる。途中でシンバルのような音を出す楽器のようなものも使われたりもする。住職様の渋いお声には、帰依された年月の重みがひしひしと感じられ、そして、まるでその重みを支えるかのように、若い修行僧のおふたりのよく通る真っ直ぐな声が両脇から響いてくる。
なんという力強い素晴らしい低音のハーモニー。
私はひととき、そのあまりにも調和した読経の声の美しさに聞きほれていたのであった。
その後、読経のハーモニーの余韻に浸りながらゆっくりと朝食を頂き、「お世話になりました〜♪」と成福院さんを後にして、9時半頃から奥の院にお参りに出かけたのであった。
*『五大瞑想CD』は、聲明(しょうみょうと言って、経典にメロディーを付けて唱える仏教音楽)と、ヒーリングミュージックが融合されたもので、成福院さんの先代住職様のお孫さんで上田益さんという著名なサウンドクリエーターの方が制作されておられます。五大とは「地」「水」「火」「風」「空」の五つの要素で、このCDではヒーリングミュージックと成福院さんの僧侶さま方の素晴らしい読経の声が、内なる宇宙の夢幻の安らぎの世界へと誘います。
成福院さんのHP http://www.msp.co.jp/jofukuin/
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